ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪 (2013)

狄仁傑之神都龍王/YOUNG DETECTIVE DEE: RISE OF THE SEA DRAGON


ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪 (2013)
狄仁傑之神都龍王/YOUNG DETECTIVE DEE: RISE OF THE SEA DRAGON

INTRODUCTION

中国映画史上最高の製作費約32億円!興行収入はなんと96億円!
中国映画史上最高の製作費2億元(約32億円)を費やし、6億元(約96億円)のメガヒットを飛ばした、怪奇アクション
アドベンチャーが、ついに日本上陸!類いまれな知性と推理力の持ち主であると同時に、武術の達人でもある判事、
ディー・レンチエ。“中国版シャーロック・ホームズ”ともいえる彼が“海の神・龍王〈シードラゴン〉”の謎に挑
む本作は、2010年にアンディ・ラウ主演で話題を呼んだ『王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件』の前日譚〈エ
ピソード・ゼロ〉にあたる。
朝廷を揺るがす怪事件に果敢に挑む、若き主人公・ディーを演じるのは、「台湾4大若手俳優」にも選出されたマーク・
チャオ(『ハーバー・クライシス〈湾岸危機〉Black & White Episode 1』)。また、ドラマ
「花より男子〜Boys Over Flowers」でブレイクした韓流スター、キム・ボムが事件のカギを握る悲劇の男・ユエン
を演じるほか、中国からも人気上昇中のウィリアム・フォン(ドラマ「蘭陵王」)とケニー・リン(ドラマ
「宮廷女官 ジャクギ」)が参加するなど、次世代のアジア映画界を担う若手俳優が共演!また、日本でもカリス
マモデルとして知られるアンジェラベイビー(『TAICHI/太極』)が放つ妖艶な魅力や、前作に続き、中国三大悪女
・則天武后を怪演するカリーナ・ラウの圧倒的な存在感など、新旧女優対決にも注目だ。
毒蜂、呪いの虫・ 蠱(こ)、龍王(シードラゴン)、海中を自由に泳ぐ白馬、
そして鉄の爪を持つ恋する半魚人
登場するのは見たこともないクリーチャーたち!
前作に続き、監督・脚本を務めるのは『男たちの挽歌』『ダブルチーム』『ドラゴンゲート/空飛ぶ剣と幻の秘宝』
『セブンソード』のツイ・ハーク。“香港のスピルバーグ”の異名を持つヒットメーカーが今回、華麗なワイヤー・ア
クション演出はもちろん、最先端CG技術を駆使し、ダイオウイカも霞むダイナミックな龍王〈シードラゴン〉の
クリーチャーを制作。さらに登場する数々の奇怪な化物たち!正体不明の鉄の爪を持つ謎の怪物〈醜くも悲しい半魚人〉
、大群で襲う〈毒蜂〉、強い毒性を持ち体内に入ると皮膚が鱗と化す呪いの虫〈蠱-こ-〉など見たこともないクリー
チャーたちが続々と登場する世界観は圧巻。
音楽には日本から押井守監督作などで知られる川井憲次を招聘するなど、前作を超える驚天動地のスケール感を生み出した。
その結果、前作の2倍以上の興収を叩き出し興行収入はなんと96億円!

STORY

謎に包まれた龍王(シードラゴン)そして登場する数々の妖異(ようい) 
都の闇に襲いかかる怪事件の驚くべき真相とは―
西暦665年、唐朝末期。第3代皇帝・高宗と皇后・則天武后が敵国に送り出した10万に及ぶ水軍艦隊が、何者かの襲撃を受けて全滅。巷で「これは“海の神・龍王”の仕業であり、その怒りを鎮めるには若い女性を供物にしなければならない」という噂が流れ始める。花の都・洛陽に赴任した若き判事ディー・レンチェは、選ばれた美しき花魁・インをめぐる誘拐事件に巻き込まれたことを機に、医官・シャトーやディーを追う司法長官・ユーチとともに“龍王”をめぐる怪事件の捜査に乗り出す。そして、彼らはインを奪いに現れた鉄の爪を持つ醜い謎の怪物に遭遇。その正体を探るうちに異形の裏に隠された悲しくも切ない真実を知ることとなる――。

マーク・チャオ ディー・レンチェ役

1984年9月25日生。 台湾・台北出身。父は台湾のマルチ・タレントのチャオ・シューハイ。カナダのビクトリア大学を在学中に、CMモデルなどを務める。その後、「流星花園~花より男子~」で知られるツァイ・ユエシュン監督の目にとまり、彼が演出するドラマ「ブラック&ホワイト」に抜擢。ドラマ初出演にして、ヴィック・チョウとともにW主演を飾る。父とも共演した本作で09年度の台湾金鐘奨(台湾エミー賞)でドラマ部門の最優秀主演男優賞を受賞したほか、12年にはその前日譚となる『ハーバー・クライシス〈湾岸危機〉Black & White Episode1』が映画化された。また、映画デビュー作『モンガに散る』(10)、『愛/LOVE』(12)と続けてニウ・チェンザー監督作に出演するほか、女優ヴィッキー・チャオ初監督作『So Young』(13)でも主演を務めた。また、本作は『ハーバー・クライシス~』『メモリー-FirstTime-』(12年)に続く、3本目のアンジェラ・ベイビーとの共演作となる。

キム・ボム ユエン役

1989年7月7日生。 韓国出身。06年、KBSの「サバイバル・スターオーディション」出場を機にデビュー。06年のドラマ「イブの反乱」に続いて出演した人気シチュエーション・コメディー「思いっきりハイキック!」で注目を浴びる。また、08年の「エデンの東」では主演のソン・スンホンの少年時代を好演し、百想芸術大賞TV部門で男性新人演技賞にノミネートされた。そして、09年に日本の人気コミックを韓国でドラマ化した「花より男子~Boys Over Flowers」のソ・イジョン(西門総二郎)役に抜擢。日本でも「はじめまして!キム・ボム ファーストDVD in JAPAN」などのDVDがリリースされるほか、「聖夜(イブ)の空/今、会いに行きます」でCDデビューするなど、絶大な人気を博す。また、08年『お熱いのが好き』で映画デビューしている彼は、その後も『ブラッディ・ミッション』(08)、『サイコメトリー~残留思念~』(13)などの話題作に出演。 ウィリアム・フォン ユーチ役 1978年10月7日生。 中国・上海出身。01年に上海戯劇学院を卒業し、TVドラマを中心に活躍。06年には香港のドラマ「争覇 越王に仕えた男」に出演。その後も、ドラマ「王の後宮」、「美人心計~一人の妃と二人の皇帝~」などで日本でも注目される。さらに、13年には南北朝時代・北斉の高長恭の活躍を描いたドラマ「蘭陵王」で主演に抜擢。蜷川実花がキーヴィジュアルディレクションを務めるほか、台湾からアリエル・リン、香港からダニエル・チャンが共演するなど、アジアの才能が結集した本作は各国で大きな話題を呼んだ。また、項羽役を演じた『項羽と劉邦/White Vengeance』(11)以降、本格的に映画界に進出。降魔師役を演じた『妖魔伝 -レザレクション-』(12)のほか、アンジェラ・ベイビーと共演した『TAICHI/太極 ゼロ』(12)、『TAICHI/太極 ヒーロー』(12)などに出演。 アンジェラ・ベイビー イン役 1989年2月28日生。 中国・上海出身、その後、香港に移住。07 年から香港を中心に、ファッションモデルとして活動を始める。台湾版「VOGUE」「i-D」などで活動を展開するほか、日本でも「GLAMOROUS」「S Cawaii!」「Sweet」など多くのファッション誌やヴィダルサスーンのCM、レミオロメンのPVなどで活躍。そのカリスマ性から10年にはムック本「I LOVE Baby, Angelababy! アンジェラベイビーのすべて」も出版された。女優としても07年、パン・ホーチョン監督作『些細なこと』で映画デビューし、『ホット・サマー・デイズ』(10)、『ハッピーイヤーズ・イブ』(11)、『TAICHI/太極 ゼロ』(12)『TAICHI/太極 ヒーロー』(12)などに出演。また、マーク・チャオとは本作が、『ハーバー・クライシス〈湾岸危機〉Black & White Episode』『メモリー-FirstTime-』(ともに12年)に続く、3本目との共演作となる。 ケニー・リン シャトー役 1988年2月13日生。 中国・遼寧省出身。上海戯劇学院在学中から活動を開始し、11年に卒業。同年、大ヒットドラマ「宮廷女官 若曦(ジャクギ)」に第十四皇子役で出演し、注目を浴びる。また翌12年には台湾ドラマ「恋せよ姐GO!」で、女優で歌手のルビー・リンやジロー(人気グループ・フェイルンハイのメンバー)と共演するなど、若手俳優として今後の活躍が期待される。10年に映画デビューを果たしているが、本作が初の大作出演となり、13年度の香港電影金像奨(香港アカデミー賞)では最優秀新人賞候補になっている。 カリーナ・ラウ 皇后・則天武后役 1965年12月8日生。 中国・江蘇省出身。83年、TVB俳優養成所を経て、現在のパートナーであるトニー・レオン主演ドラマ「新紮師兄(原題)」で注目。86年にジャッキー・チェン製作『クラッシュ・エンジェルズ 失われたダイヤモンド』で映画デビュー後、ナント国際映画祭主演女優賞を受賞の『欲望の翼』(90)、レスリー・チャン共演の『君さえいれば/金枝玉葉』(95)、シリーズ2作目『インファナル・アフェアⅡ/無間序曲』(03)などに出演。06年の『好奇心は猫を殺す』で中国金鶏百花奨の最優秀主演女優賞、本作と同じ武則天を演じた前作『王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件』(10)で、香港電影金像奨(香港アカデミー賞)最優秀主演女優賞を受賞した。 チェン・クン 宮廷侍医・ワン役 1976年2月4日生。 中国・重慶市出身。インド人の父と中国人の母を持つハーフで、95年東方歌舞団に入団し、歌手として活躍。その後、2000年に北京電影学院を入学・卒業し、ドラマ「雨のシンフォニー」(00)、「さよならバンクーバー」(03)に出演。日本でもジョウ・シュンと共演した『小さな中国のお針子』(01)で注目を浴びる。その後も、中国映画界を支える実力派若手俳優として、さまざまな作品に出演。近年もメガヒットを記録した『画皮 あやかしの恋』(08)と続編『妖魔伝 レザレクション』(12)のほか、チョウ・ユンファと共演した『さらば復讐の狼たちよ』(10)、一人二役を演じた『ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』(11)などで、その独特な存在感をアピールしている。

ユーザーレビュー

炭酸の抜けた狄仁杰シリーズ第二弾 lamlam_pachanga さん 2014年5月11日 21時35分 閲覧数 878 役立ち度 11 総合評価 ★★★★★ 詳細評価 イメージワード かっこいい スペクタクル ファンタジー 不思議 勇敢 本作は13年製作の中国映画で、唐代の宰相・狄仁杰(ディー・レンジエ)を主人公に据えて大ヒットを記録した武侠ミステリー『狄仁杰之通天帝國(王朝の陰謀)』に続く、シリーズ第二弾です。 監督は前作に引き続き徐克(ツイ・ハーク)が担当し、全編、最近の彼がハマっているIMAX3Dで製作されています。前作でもCGをはじめとするVFXを最大活用し、スクリーンに唐代の洛陽を甦らせた徐克ですが、本作では前作以上のフル活用ぶりで、80年代から続く相変わらずの特殊効果好きを猛烈アピール(笑)もちろん、映画における3DやCGの多用には賛否あるとは思いますが、この辺のハッタリぶりが徐克映画の魅力であるのは事実ですし、(前作を観た方ならお分かりの通り)そこがこのシリーズの売りでもあります。 一方、キャストは一新され、主演には台湾の若手・趙又廷(マーク・チャオ)を抜擢。この周りにも同世代の若手や新人が配され、馮紹峰(フォン・シャオフォン)、林更新(リン・ガンシン)、Angela Baby(楊穎)などが起用されていますが、結局前作から続投したのは武則天を演じた劉嘉玲(カリーナ・ラウ)だけと、製作費2億元(約32億円)の大作映画にしてはかなり大胆なことをしています。もちろん、これは映画が前作の前史を描くための若返り策なのですが、この若手起用は絶対に徐克の趣味ではないので(除くAngela Baby)、恐らく製作の陳国富(チェン・クォフー)あたりの目利きでしょうね(笑) これは人によって感想が違うのでしょうが、正直、前作の劉徳華(アンディ・ラウ)と鄧超(ダン・チャオ)のコンビが完璧と言って良かっただけに、私は、キャスト一新を聞いた時は少なからず興醒めしました。まあ、鄧超は再演出来ないのでともかく、劉徳華の狄仁杰は完璧でしたからね。趙又廷には悪いけど、どっちが観たいかと言われれば、そりゃあ劉徳華の狄仁杰なワケで…と、これが映画を観る前の素直な気持ち。 では、映画を観た後はどうかと言えば…。 大唐麟徳二年(665年)、洛陽。唐の高宗・李治(盛鉴)と、その妃・武則天(劉嘉玲)の治世にあって唐は隆盛を極め、国境を侵した隣国・百済の討伐に水軍10万を差し向ける。しかし、その途上、討伐軍は海中から現れた怪物の襲撃を受けて全滅。武則天は大理寺の尉迟真金(馮紹峰)に十日以内の真相究明を厳命する。その頃、狄仁杰(趙又廷)は大理寺への士官に現れるが、遊郭の女郎・銀睿姫(Angela Baby)を襲う謎の一団と戦いになる。その最中、またも得体の知れぬ怪物が現れ…。 続編ということで、どうしても前作との比較になるのですが、娯楽映画として、私は、前作の『通天帝國』が大好きです。徐克得意の大袈裟で大味な演出の爆発も、(ネタはともかく)ミステリーとしてのストーリー展開も、映画としてのスケールも、そして主要キャストの演技合戦に至るまで、“面白い徐克映画”の典型。理屈ではなく、観ていて面白い、楽しいと思わせる、そんな映画でした。 今回はというと…やはり、ちょっと小粒な感じが拭えません。 いや、最初に書いた通り、壮大なCGなどで魅せるVFXは素晴らしいものがあります(質って意味じゃないですよ)。最近、徐克の演出はかつて(80年代)のキレを取り戻し、活劇の本道へ立ち返った感を窺わせています。どの作品も例外なく大味で、観る人の嗜好次第では一気に白ける可能性もあるのですが、中華圏には珍しいくらいの自由な発想を描ける人です。 今回、お粗末に感じたのは脚本。 ストーリー全般というよりも謎解きのパートが全然盛り上がらないので、派手なだけの娯楽武侠映画にしか映らない。 そして、物語が“前史(前作より前の時代)”を描いているため、主人公の若き狄仁杰が、どうしても前作ほど魅力的に映らないという問題を解決出来ていません。どうやら、前作では、明晰な頭脳、豊富な知識、超絶に武功を併せ持った完全無欠のキャラクターだった彼を、今回は、狄仁杰(頭脳)、沙陀忠(知識)、尉迟真金(武功)と、三人のキャラへ分割したようですが、そのせいで主人公としてのインパクトに欠けるのです。 また、私が不安だった若手キャストにしても、狄仁杰の趙又廷、沙陀忠の林更新、尉迟真金の馮紹峰、そしてヒロインのAngela Babyは悪くはなかったですが、それぞれ比べる相手が、劉徳華、梁家輝(レオン・カーフェイ)、鄧超、李冰冰(リー・ビンビン)ときては、如何にも分が悪い。 こうしたマイナスが響いて、この映画、最終的にドラマとしてもちっとも盛り上がらない。 『狄仁杰之神都龍王(ライズ・オブ・シードラゴン)』は、面白いことは面白いのですが、何と表現すれば良いのか…何だか炭酸の抜けたコーラみたいな映画でしたね(苦笑)