圓教寺 公式HPより 
①現況
 兵庫県姫路市の姫路城の西北約6㎞に位置する、海抜371mの山上にある。史跡地に指定された境内は、約18㌶と言われる、東西に1㎞の細長い形で、山間を利用して建物が点在している。
 康保3年(966)性空上人によって開かれた、比叡山と同じ天台宗の修行道場の寺である。
 重要文化財
 建造物=大講堂・常行堂・食堂・護法堂(2棟)・壽量院・鐘楼・金剛堂
 仏 像=釈迦三尊・四天王・阿弥陀如来座像
 その他=県指定(建造物10棟・仏像他3件)市指定(仏像3体)
 境内は国指定史跡。
②歴史上の天災・人災
 ○元徳3年(1331)雷火の為三之堂と周辺の諸堂焼失。
 ○天正6年(1578)秀吉乱入し本陣とする。帰途仏像その他多数持ち去る。この頃まで   27000余石の寺領を有していたが、秀吉によりすべて没収。500石だけを施入される。   後1000石になるが、江戸に入り833石となる。
 〇明治元年(1868)明治維新、833石と境内を含む山全体が国に没収される。
 〇昭和16年(1941~1945)太平洋戦争による荒廃。
③保存修理・防災工事
 昭和25年(1950)年「文化財保護法」制定により、昭和26年より、大講堂解体 修理、同31年完成。続いて金剛堂・食堂・常行堂・壽量院・護法堂修理。 防災工事(避雷針・自動火災報知設備・消火用貯水槽=約1000㌧)。 その他県指定8棟、未指定塔頭寺院等5棟修理。  近年ようやく、仏像の調査と一部の修理が始められるようになった。これは偏に早稲田大学文学部の大橋・櫻庭先生を中心とした諸先生方の御厚意と御協力のお陰と感謝している。この場を借りて、お礼を申し上げます。
④管理体制
 侵入感知設備・職員による夜間巡回(3回)
⑤所感
 最近映画やテレビの撮影に使われます。特に大規模なのものはトム・クルーズ主演の「ザ・ラスト・サムライ」でした。
 これも監督の目にとまったのですが、新しい人工の入らない、自然の中にたたずむ建物との調和した時代的な雰囲気が気にいったようです。事実、自然遺産と文化遺産が別々ではなく、うまく調和を保っているのだと誇りに思っています。今でこそ近代的な設備で守っているが、過去1000年ー何もない中で環境や建物を守り続けてきた諸先輩の御努力には敬服と感謝の他ありません。特に戦後の苦しい中での修理の苦労は並大抵の物ではありませんでした。全ての住人が絶えず愛情を持って、物を見、扱って来たと思います。特に火の用心には気を使ったと思います。
 今後は仏像の修理と史跡の整備が我々の責務と考えています。私達にとって文化財の指定の有無に関わらず、全てが大切な文化遺産であると認識しています。その為には物に対する愛情目配り・気配りが基本であると思っています。  これも多勢の人々の御理解と御協力なくてはできません。何卒暖かい気持ちで応援をお願い致します。